どーも、おしのです。
今回は住宅ローンを組むうえで一番皆さんが悩む金利の選択について話していきます。
早速ですがまずは変動金利と固定金利のメリット、デメリットについて話していきます。
変動金利のメリット
【メリット①】固定金利と比べて金利が低い
変動金利のメリットといえば何と言ってもこれですね。金利が一番安い。
固定金利の中では基本的に35年固定金利が一番高いんですが、これと比較すると変動金利の方が大体1.0%くらい金利が低いことが多いです。
金利が1.5%違えばどのくらい支払う利息が変わってくるかを簡単に計算しますね。
(パターン1)借入金額2,500万円、変動金利1.0%、返済期間35年、ボーナス返済なし
【毎月返済額】 70,571円
【35年間での合計利息支払額】 4,639,998円(約464万円)
(※もちろん変動金利なので途中で金利の変動の可能性があります。金利が上がれば支払利息額は上がりますし、金利が下がれば支払利息額はその分下がります。あくまで金利が違えばどのくらい利息額が変わってくるかをイメージしてもらうために、1.0%で35年間変わらなかったと仮定して計算しています。)
(パターン2)借入金額2,500万円、35年固定金利2.0%、返済期間35年、ボーナス返済なし
【毎月返済額】 82,815円
【35年間での合計利息支払額】 9,782,590円(約978万円)
(こちらの場合は35年固定で金利変動の影響を受けないので、毎月返済額と合計利息支払額は確定です。)
(パターン1)と(パターン2)を比べたとき、金利が1.0%と金利が2.0%で
毎月返済額が約12,000円
合計利息支払額が約500万円
と大きく変わります。
金利が低いというのはそれだけ大きなメリットになるということです。
【メリット②】いつでも固定金利に変更できる
固定金利の場合は原則途中で変動金利にしたり、10年固定から20年固定に変更したりなどは出来ませんが、変動金利の場合はいつでも変動金利から固定金利に変更が出来ます。
(おしののひとこと)一応メリットとしてあげましたが、正直、変動金利から途中で固定金利に変更したところで得するようなことは実質ほぼないです。
変動金利から固定金利に変更するときというのは、変動金利が上がってきた時ですよね。皆さん金利が低いから変動金利を選んでいるようなものなので。
それでもし「変動金利が上がってきたから固定金利にしようかなー」と考えて固定金利にしようとした時ってすでに固定金利の金利は上がった後なんですよね。詳しく言うと基準金利が絡む話になり、基準金利について知らない人は話が難しくなるので割愛します。
まあ、とにかく変動金利が上がるより、固定金利の方が先に金利が上がっているので、変動金利が上がってきたから固定金利に切り替えようとしても遅いですよ、という話です。
一応メリットを2つ挙げましたが、実質的なメリットは「適用される金利が固定金利よりも低い」ということですね。
固定金利のメリット
【メリット】固定金利期間中であれば金利が上がっても影響を受けない
固定金利といえばこれですよね。というかメリットはこれだけです。変動金利と比べて金利が高い分、金利が上昇した時のリスクを抑えることができることが大きなメリットです。
変動金利より金利が高いのは安心料を買っているみたいなものですね。ただ後で話しますが、10年固定金利など一定期間固定金利のタイプは落とし穴があるので注意が必要です。
変動金利のデメリット
【デメリット】金利が上昇した場合、支払負担が大きくなる
変動金利のデメリットはこれですね。固定金利よりも適用金利が低い分、金利が上昇した時には支払いの負担が上がります。
もし、景気の拡大等により金利がグングン上昇した場合(極端に言えばバブル期のように)、合計利息支払額が固定金利を選択した時よりも多くなる可能性があります。
固定金利のデメリット
【デメリット①】変動金利よりも適用金利が高い
固定金利は固定期間中の金利上昇のリスクを抑えられる分、変動金利よりも金利が高くなります。
金利が上昇した場合は恩恵を感じられますが、金利が下がった場合やあまり金利が上昇しない場合は、結果的に変動金利よりも多く利息を負担することになります。
【デメリット②】固定期間中は途中で変動金利等に変更することができない
原則、固定金利を選んだ場合、途中で変動金利や他の種類の固定金利に変更することが出来ません。
金利が下がってきたから、変動金利にしたいなと思っても原則として出来ないということです。
原則と書いているのは、まあ抜け道があるのでそういう言い方をしています。
やり方については別記事で詳しく話したいと思います。自分で言うのもなんですが、本当にお金を出しても知るべき内容です。(別にお金は取りませんが笑)
一定期間固定金利の落とし穴
固定金利は一定固定期間金利と全期間固定金利に分けられます。
全期間固定金利は35年固定金利のように、「契約してからローンの完済までずっと同じ金利で固定する金利」ですが、一定固定金利というのは、5年固定や10年固定などのように「合計ローン返済期間(35年ローンなら35年間)のうち一定期間だけ同じ金利で固定する金利」のことです。
銀行員時代、変動金利は金利上昇が怖いし、全期間固定金利は金利が高いし、という理由で10年固定金利を選択する人がめちゃくちゃいました。
今このサイトを見ている人で10年固定ローン(もしくは他の一定期間固定金利)で組んでいる人、これから組む予定のある人、がいると思います。
そんな方たちにぜひ気を付けてほしい一定期間固定金利の落とし穴について話します。
固定期間終了に伴う金利再選択時、金利が大きく上がる可能性がある
例えば10年固定金利を選択している人が、10年経過して再び変動金利か固定金利かを選択する必要が出てきますが、その時に適用される金利は変動金利、固定金利、どちらを選ぼうとも大きく金利が上がる可能性があります。
どういう話かというと、基準金利と適用金利の話が絡みますが、(基準金利と適用金利が分からない人はこちらのページから知識を入れておきましょう。基準金利と適用金利は住宅ローンを組む上で必須知識です。<参考リンク>基準金利とは?適用金利とは?【損しない為の住宅ローン知識】)
基準金利3%から2%の優遇を受けて適用金利1%で10年固定金利を組んだとします。
そして10年経過後、金利を再選択するときに優遇が1%しか受けられないというようなパターンが多いです。
要は、低い金利で固定金利が組めるのは最初の10年間だけで、それ以降は同じ10年固定を選択したとしても前よりも優遇は受けられず、金利が上がりますよ、という内容です。
私が働いていた銀行もそうでしたが、一定期間固定金利の多くはこの形態を取っていることが多いです。
契約時にきちんとその旨説明するはずなんですが、金利再選択時にも同じように基準金利から大きく優遇を受けられるものだと勘違いしてしまうケースが本当に多かったです。
これも、基準金利と適用金利、一定期間固定金利の仕組みを知っていればそんなことは無いんですが。
ひとつ言えるのは、残念ながら人生で一番大きな買い物になる人が多いのに意外とサクッとローンを組んでしまう人が多いんですよね。と、説明不足な銀行員が多い(←これ一番の問題)。。。
情報を把握しているか(知っているか)どうかで何十万円、何百万円の差がつくことが多いのが住宅ローンです。
ぶっちゃけどっちがいいの?
皆さんが結局のところ聞きたいのはここですよね。ぶっちゃけ変動金利と固定金利どっちがいいの?って話です。
もちろんそれぞれメリット、デメリットがあるので絶対こっちの方が良いとか、お得というのは無いです。
ただ、私見にはなりますが、私なら変動金利一択です。
何と言っても変動金利は金利が低いです。
さきほど変動金利のメリット部分でも例に出したように金利が1%違うと、合計の支払額の負担は大きく変わります。
で、変動金利で皆さんが気にするのは、金利が上がったらどうしようという部分ですよね。
それはあくまで変動金利が持つデメリットのイメージが強く働いているだけです。変動金利ってそんなに上昇するものでもないです。
実際、変動金利はここ25年間、金利が下がることはあっても上がったことはほぼ無いです。
一度下げた金利を上げるというのは、そうそう簡単にできないです。
恐らくちょっと景気が上向きになったからといって金利をガンガン上げていたら、住宅ローンを払えない家庭が続出しますよね。
んで、利息の話をしますと、利息って借入残高が多ければ多いほど、そして、残っている返済期間が長ければ長いほど増えていきます。
固定金利と変動金利の差が1%ある場合、変動金利から上昇してその1%の差を埋める頃には、かなりローン残高は減っている可能性が高く、残っている返済期間も大分減っているでしょう。
そうすると、それまでの何十年に支払った変動金利と固定金利の利息の差を比べるとかなりの差がついているはずです。単純なイメージをしてもらえば、それからさらに全期間固定金利よりも1%位上昇しないとその利息の差は埋められないですよね。(イメージを持ってもらうためにかなり単純な計算でやっています。正確にはもう少し複雑な計算が必要ですが分かりづらくなるので割愛します。)
退職金で返済を検討している方なら尚更全期間固定金利にするメリットはないと思います。
なぜかというと例えば、
40歳で35年の返済期間で住宅ローンを組み、60歳の退職金で一括返済(もしくはある程度の一部返済)をすると考えているのであれば、実質35年ではなく、20年間でローンを組んでいることになりますよね。
返済期間が短くなればなるほど、たとえ変動金利が上昇していってもそれほど上昇しきる前にローンを完済させることができますよね。
そして35年固定金利を例えば組むとすれば、それだけ金利は高くなります。(何と言っても35年間金利上昇のリスクから回避できるので)そうするとせっかく35年固定金利で組んだのに実質25年で完済したら、10年間分無駄に安心料として金利を高くしていたということになります。
そうしたら10年固定などの一定期間固定金利ならどうか、と思う人がいると思います。
10年固定金利って10年間は確かに金利上昇のリスクを回避できるんですけど、先ほどの【一定期間固定金利の落とし穴】で説明したこと以外にもリスクがあります。
変動金利が上昇した時は必ず固定金利も上がります。つまり、10年間は守られても、10年経ったら変動金利を選択しようとも固定金利を選択しようとも、上昇した金利で組まないといけなくなります。
10年間の間に金利が急激に上がり、10年終了するときにはまた金利が下がるみたいな凄く都合の良いことが起これば別ですが。(ただし、その時は変動金利もつられて下がる可能性が高いです。)
最後にもうひとつ、金利が下がった時は変動金利はすぐ恩恵を受けられますが、固定金利の場合それもすぐ受けられる訳ではないのでそれも個人的にはマイナスです。
個人的には一定期間固定金利は中途半端なイメージが強いです。それでも銀行員時代、固定金利の契約をすることは多かったです。人気でしたね。
そういった人たちは、やはり変動金利の、もしも金利が上がったらという負のイメージがつよく、固定なら安心という固定観念で動いていた部分が強かったですね。(具体的な数字や統計で見るのでなく、イメージで判断していく感じかなあと。)
長くなりましたが、是非参考にしてみてください。