どーも、元銀行員のおしのです。
銀行員として働いていた時から、ファイナンシャルプランナーとして活動している現在まで、お客さんによく相談される内容に、
「自分の年収だったらいくらまで住宅ローンを組めますか?」という相談があります。
住宅ローンを組む方のほとんどは、住宅ローンを組むのが初めてなので、その内容についてのイメージがあまり湧かない人がほとんどです。
また、住宅ローンは、他のローンと比べてなんだかややこしそうだと思う人も多いので、今回もできるだけそういう方にも対しても分かりやすく話していきたいと思います。
住宅ローンの申込みができる基本的な条件
住宅ローンを組むことができる最低限の条件として、多くの銀行が設定しているのは以下の条件です。
①20歳以上65歳未満
②年収300万円以上
③正社員かつ1年以上勤務している
主にこの3点です。
この3点を満たしていれば基本的に住宅ローンの申し込みができます。
年収でいくと300万円以上であればOKなので、今回の年収400万円の人というのは、住宅ローンの申込ができる年収の最低限の年収の条件を満たしている人ということになります。
年収400万円の人はいくらまで住宅ローンが組める?
住宅ローンはいくらまで組むことができるか、というのはどの銀行も公表していません。
また、銀行員に聞いてもそれは機密情報になるのでお客さんには教えてくれませんし、聞いたところでごまかされるはずです。
ただ実際、年収によって借りることのできる金額というのは決まっています。
多くの銀行が採用しているのはズバリ、
年収の7倍までの金額
です。
なので年収400万円の人なら
400万円×7=2800万円
となり、この2800万円が住宅ローンで組むことができる金額の上限ということになります。
あくまで目安ではありますので、銀行によっては年収の7.5倍までだとかちょっと緩くしているところもあるとは思います。
ただ実際に自分がいた銀行では、年収の7倍までが上限額として設定されており、また仕事上付き合う様々な他行行員の話や、他行が出した審査結果の内容などたくさんの情報を見る限り、年収の7倍が多くの銀行で上限額の目安とされています。
年収400万円の人が2800万円以上のローンを組む方法
年収400万円の人は基本的に年収の7倍である、2800万円までしか住宅ローンを組むことができません。
しかし、連帯債務者を入れることで、住宅ローンで組める金額の上限を上げることができます。
連帯債務者とは、申込人本人と同じ債務者(お金を返済する義務を持つ人)としての立場になってくれる人のことです。
基本的には本人が返済を行っていきますが、万が一本人が、収入等の都合で毎月の返済ができなくなった場合は、代わりにこの連帯債務者が返済することになります。
これが連帯債務者です。
連帯債務者になる人は基本的に、配偶者(妻もしくは夫)、親、子など親族がなるケースがほとんどです。
親族でもないのに連帯債務者になってあげるという善人はなかなかいないですからね。
連帯債務者を入れると、その連帯債務者の年収も、申込人本人の年収と合算させることができます。
例えば
本人の年収が400万円
連帯債務者になる妻の年収が300万円
だとすると、
(400万円+300万円)×7
=4900万円
となり、4900万円まで住宅ローンを組むことができるという仕組みです。
実際住宅ローンはいくらの金額までに抑えた方がいいの?
「住宅ローンを組める上限の金額については分かったけど、実際年収400万円の人は、ローンを組むのはいくらまでに抑えた方がいいの?」と思う人もいると思います。
ここでポイントになるのが、「返済負担率」という比率です。
返済負担率というのは、簡単に言うと、その人の年収に対する年間のローン返済額の割合はどのくらいか、という数値です。
例えば年収400万円のAさんが、年間のローンの返済額60万円(毎月5万円)でローンを組んでいるとします。
この場合、
60(年間ローン返済額)÷400(年収)
=15.0%
となります。
これより、Aさんの返済負担率は、15.0%ということになります。
返済負担率は30%未満にすることがポイント
この返済負担率は、30%未満にすることが、無理のない返済をしていくうえでのポイントになります。
例えば、金利1%で2800万円の住宅ローンを、35年間組んだ場合のシミュレーションをやってみましょう。
この場合、毎月返済額は79,039円になります。
79,039円(毎月返済分)×12(年間)
=948,468円(年間ローン返済額)
948,468円(年間ローン返済額)÷400万円(年収)
=23.7%(返済負担率)
となり、この場合の返済負担率は23.7%となり、30%未満に収まっているので、無理のない返済だということができます。
返済負担率で注意するポイント
返済負担率で注意するポイントは、新しく借りる住宅ローン以外に、既に借りているマイカーローンや学資ローンなどの、他のローンも考慮する必要があるということです。
例えば先ほどの例を用いると、住宅ローンの年間ローン返済額は948,468円(約95万円)です。
この住宅ローンの他に、年間で30万円返済しているマイカーローンと、年間30万円返済している学資ローンがあるとします。
この場合、
(住宅ローン年間返済額)+(マイカーローン年間返済額)+(学資ローン年間返済額)が、合計の年間ローン返済額になるので、計算すると
約95万円+30万円+30万円
=155万円(合計年間ローン返済額)
となり、この155万円が返済負担率を出す上での合計の年間ローン返済額となります。
155万円(年間ローン返済額)÷400万円(年収)
=38.7%(返済負担率)
この例の場合、返済負担率が
30%<38.7%
となっているので、無理のある返済だということができます。
こういう場合は、ローンの申込金額を下げるか、連帯債務者を入れるかといった選択を考えることになります。
改めて言いますが、無理のない返済をしていくうえでのポイントは返済負担率が30%未満になることです。
さいごに(おしののひとこと)
以上、年収400万円の人がいくらまで住宅ローンを組めるか、組む上でのポイントなどを話してきました。
年収400万円で住宅ローンが組めるんだろうか、と心配される方もいますが、年収400万円あれば十分住宅ローンは組むことができますし、多くの方が年収400万円未満で住宅ローンを組んでいます。
基本的には今回話したようなポイントさえ押さえていれば大丈夫です。
より具体的に毎月の返済額だったり、マイホームの維持費等については、別の記事でも詳しく書いているので是非そちらも参考にしてみてください。
(参考リンク:住宅ローンで2000万円借りた場合の毎月返済額シミュレーション)
(参考リンク:住宅ローンで2500万円借りた場合の毎月返済額シミュレーション)
(参考リンク:住宅ローンで3000万円借りた場合の毎月返済額シミュレーション)