どーも、元銀行員のおしのです。(現ファイナンシャルプランナー)
銀行時代から現在まで、お客さんからよく
「住宅ローンはやっぱり馴染みのある銀行で組んだ方がいいですか?」という質問を受けます。
住宅ローンを組むことは一生の中でもその後の生活に大きな影響をもたらす一大イベントの一つです。
そのため銀行選びは慎重に行うことがとても大切です。
とは言っても、普通に生活していたらどこの銀行で住宅ローンを組めばいいのかよく分からない人がほとんどです。
そのため、よく知らない銀行よりも、今まで馴染みのある銀行にしといた方がいいのかな、と考えて銀行を決める人も多いです。
しかし実際、ただ単に馴染みのあるなしで住宅ローンを組んでしまうと、めちゃくちゃ損する可能性が高いです。
今回はそういったことがないよう
「ぶっちゃけメガバンクと地方銀行とネット銀行、住宅ローンを組むならどれがいいの?」
というのをテーマに話していきます。
メガバンクのメリット
①全国どこの地方にでも店舗がある
メガバンクのメリットの一つとして、「全国どこの地方にでも店舗がある」ということが挙げられます。
そのため、たとえ県外など遠方の転勤があったとしても、何かあったとき、相談したいときは転勤先にある店舗で相談することができます。
②規模が大きい分、地方銀行に比べると住宅ローン金利が低い
二つ目のメリットとして、地方銀行に比べて住宅ローン金利が低いことが挙げられます。
地方銀行に比べメガバンクは全国展開をしており規模が大きく、顧客数も多いです。
そのため、少ない顧客で高い利益を上げるために高い金利を設定する地方銀行に比べて、住宅ローンの金利を低く設定することができます。
メガバンクのデメリット
①地方の場合、店舗が少ない
メガバンクは全国に店舗があることが魅力の一つですが、その反面、店舗はあるが店舗数が少ない地方が多々あるのもまた特徴です。
1つの県に1店舗しかないようなところもあります。
例え同じ県にあっても店舗までの距離が遠い場合、気軽に行けないので不便だと言えます。
②ネット銀行に比べると金利は高い
ネット銀行の場合、店舗を基本的に展開しないため、大幅に人件費を抑えることができます。
そのため、メガバンクや地方銀行のような通常の銀行に比べて、低い住宅ローン金利でも利益を出すことができます。
このようにメガバンクは地方銀行に比べると住宅ローン金利は低いですが、ネット銀行に比べるとどうしても金利は高くなります。
地方銀行のメリット
その地方に住み続けるならば利便性が高い
地方銀行の強みは何といっても、その展開している地方では圧倒的な店舗数を誇るということです。
例え田舎に住んでいる人でも、その地方内であれば基本的に店舗があるので、気軽に相談など行くことができます。
ずっとその地方に住み続ける方であれば、どこにでも店舗があるのでそういった面で便利だと言えます。
少ないですが正直地方銀行のメリットはこれくらいです。
地方銀行は地域密着型なんて言いますが、3年もあれば銀行員は転勤しますので顔馴染みの行員はいなくなります。
地方銀行のデメリット
①住宅ローン金利が高い
まず地方銀行で住宅ローンを組むことのデメリットはこれですね。
地方銀行はメガバンクよりも規模が小さく、ネット銀行よりも利益に対する人件費がかかるので、利益を出すために住宅ローン金利を高く設定せざるを得ません。
ネット銀行と地方銀行では、倍近く金利が変わることもあります。
金利が少しでも違えば、何十万円、何百万円と支払う利息が変わってくるので、これは地方銀行の大きなデメリットです。
②全国転勤の方は不便
また、地方銀行は店舗がその地方に集中していますので、全国転勤するような方は非常に不便です。
電話で相談はできても、契約となればわざわざ遠方から戻ってこなければならないといったことも多々あります。
これも地方銀行の弱みの一つですね。
ネット銀行のメリット
①住宅ローン金利が最も低い
先ほども話しましたが、ネット銀行は人件費が抑えられているので、メガバンクや地方銀行に比べて住宅ローンの金利が最も低いです。
金利が低ければそれだけ、支払う利息も減らすことができますので、家計にとっては大きなポイントとなります。
ちなみに現在、
ネット銀行の場合、変動金利で0.5%
地方銀行の場合、変動金利で1%
くらいで提供している銀行が多いので、仮に3000万円を35年間返済で、この金利で借りたとすると
【ネット銀行の場合】
毎月返済額77,875円(ボーナス返済なし)
利息支払合計額2,707,757円(約270万)
【地方銀行の場合】
毎月返済額84,685円(ボーナス返済なし)
利息支払合計額5,567,998円(約556万円)
となり、ネット銀行を利用した場合、地方銀行よりも300万円近く無駄な利息を支払わずに済むことになります。
②電話上、ネット上で対応してもらえる
ネット銀行の場合は、店舗を基本的に持たないので、電話上かネット上のやり取りのみで基本的に完結します。
また土日に限らず営業が行われているのも特徴です。
通常の銀行のように、わざわざ平日に仕事の休みを取って出向くといったこともありません。
そのため、仕事で忙しい人にとっては非常に融通が利きやすいです。
また、全国転勤する方にとっても、場所に関係なく相談、対応してもらえる点は大きなメリットだと言えます。
ネット銀行のデメリット
ネットをほとんど使わない方にとっては不安
ネットを普段利用しない方にとっては、安心できないという不安もあるようです。
そのため、直接会って担当の人と話ができる、通常の銀行を好む方も多いです。
ただネット銀行とは言っても、いざとなれば電話で相談することが可能なので、ネットに不安がある方は、電話で相談すれば簡単に解決できると思います。
ぶっちゃけどれがいいの?(元銀行員としての意見)
メガバンク、地方銀行、ネット銀行のメリットデメリットについて話してきましたが、
本題である「ぶっちゃけどれがいいの?」という話です。
それぞれの銀行にメリットデメリットがあるので、正解というのはないですが、個人的には
「ネット銀行を選ばない理由が分からない」
という意見です。
住宅ローンは金利が全てだと言ってもいいです。
住宅ローンを組んだ後は基本的にほったらかしです。
もし住宅ローンのことで銀行に相談するとしても、繰上返済か借換に関することくらいで、そうそう住宅ローンを借りた後に銀行側に相談することは無いです。
なので、何かあった時に直接店舗に相談しにいけるという、通常の銀行のメリットも、住宅ローンを組むことに関しては正直魅力的なポイントではありません。
先ほどネット銀行のメリットの部分でも話しましたが、金利が低いというのは住宅ローンを組む上で何よりも重要なポイントです。
金利が少し違うだけで、何十万円、何百万円と支払う利息が変わってきます。
この何十万円、何百万円の利息に見合うメリットが、地方銀行、メガバンクにあるかというと何とも厳しい状況です。
こういったことを踏まえて、これから住宅ローンを組む方は、「馴染みのある銀行だから」などといった理由だけで、住宅ローンを安易に組まないようにしっかり気をつけることが大切です。
ぜひ参考にしてみてください。