どーも、元銀行員のおしのです。
皆さん知ってました?タイトルにもあるように
お客さんがローンの返済が出来ずに破産しても、お金を貸した銀行は全く損しませんって話

これ意外と皆知らないんですよね。
今回はそんな銀行がお金を貸しているその仕組みについて、出来るだけ分かりやすく話していきたいと思います。

お客さんがローンを返済できずに破産しても、銀行は全く損しない理由

銀行は、保証会社を利用してお金を貸す仕組みを取っている

銀行は、お金を貸す上で保証会社という会社を利用してお金を貸しています。

保証会社というのは、銀行が貸したお金をお客さんが返せなくなった時に、お客さんの代わりに返してくれる会社です。
イメージしてもらうと次のような流れになります。

①銀行がAさんに100万円を融資する

②残りのローンが70万円になった時、生活が苦しくてローンの返済が出来ないなどの理由で、Aさんが破産したとします。

③残りのAさんのローン残高70万円は、Aさんの代わりに保証会社が銀行に支払ってくれる

という流れになります。

保証会社にメリットはあるの?

このように話していくと、保証会社ってお客さんの借金を肩代わりするだけで、どうやって保証会社は稼いでるの?と疑問に感じると思います。

もちろん、保証会社もただただお客さんの借金を肩代わりするだけでなく、しっかり稼いでいます。

保証会社と銀行の間には、あらかじめ契約が結ばれています。
その契約は、

「銀行がお客さんに貸したお金が、お客さんの都合で返済できなくなった時は、お客さんの代わりに保証会社が返済してあげますよ。その代わり、保証料を下さいね。」

という内容です。
保証会社は、銀行が貸したお金を、万が一何かあった時に保証してくれる代わりに、保証料というのをもらっているんですね。
この保証料をもらうことで保証会社は稼げているということになります。

そしてこの保証料というのは、ローンを利用するお客さんが負担しています。
住宅ローンにしても、マイカーローンにしても、カードローンにしても、個人のお客さんが銀行でローンを利用するときは、この保証料を支払っています。

お客さんはローンを借りる時に、最初にまとめて保証料を支払うか、それとも保証料をまとめて支払わない代わりに、通常よりも高い金利を適用するか、のどちらかを選択することになります。
銀行によっては、最初から金利に組み込まれているところも多いです。(自分が働いていた銀行はそうでした)

なので、補足なんですが、銀行でローンを比較するときは、金利の中に保証料が組み込まれているかどうかをきちんとチェックすることが大事です。
見た目上金利が低くても、小さい字で「別途保証料がかかります。」なんてこともかなりありますので。
銀行のローンを比較するときは、

①金利はどのくらいか
②保証料はどのくらいかかるか

というのをきちんとチェックしましょう。

話を戻しますが、そうやって保証料をもらうことで、保証会社は成り立っています。

保証会社ってどんな会社?

保証会社は次の2つのことをやっています。

・「審査(この人にお金を貸していいかどうか、信用はあるかの審査)」
・「貸出金の保証(もし万が一貸出金が返ってこなかった時の保証)」

そして保証会社は簡単に言うと、消費者金融がやってることが多いです。

ここで、「えっ、何で銀行のライバルの消費者金融が、銀行と手を組んでるの?」と思いませんか。

そうです。一見消費者金融と銀行はライバルのように見えるんですが、裏では協力し合っています。

もともと銀行ってお金を貸す時には、必ずお客さんから土地や建物などを担保に取ってからお金を貸していたんですよね。
ただ、最近では、カードローンやマイカーローンなど多くのフリーローンは無担保で貸しています。
銀行って無担保でお金を貸すノウハウを持っていないので、フリーローンやマイカーローンのような無担保ローンの場合、長年培ってきたノウハウを持っている消費者金融に審査を任せています。

また、審査をする上で「過去の信用歴(延滞や破産等の事故歴)」を外部の信用情報機関に確認する必要があるんですけど、

つまり銀行は保証会社が「審査」と「貸出金の保証」をやってくれるので、銀行が負うリスクはゼロです。
そして、保証会社は「審査」と「貸出金の保証」をする代わりに、保証料がもらえるので、双方にとってプラスになるということです。

なので、一見お客さんの取り合いでライバル同士に見えても、裏ではお互い協力できている関係になっているということです。(ただし、保証会社業務を行っていない消費者金融は銀行とライバルです。)

さいごに(おしののひとこと)

銀行で働いてて思ったのは、銀行ってホントにリスクを取らずにお金貸すな~ってこと。
よく銀行は、信用無い人にはお金を貸さないっていうけど、あれ実際は保証会社が審査してるから、保証会社が審査で否決したら銀行側は、貸出金を保証してくれるところがないから貸さないってシステムなんだよね。
銀行側はリスクを取らない。ノーリスクで貸せるところしか貸さないってこと。
雀の涙ほど(0.03%程度)の金利でお金を預けてもらって、そのお金を使って14%とか恐ろしい金利で、かつノーリスクでお金を貸していくからね。
<単純計算>

①100万円のお金を2年間預かる(金利0.03%)
100万円×0.03%×2年間=約600円(2年間でつく利息)

②100万円のお金を2年間貸す(金利14%)
100万円×(ローン専用電卓使って特別な計算)=約15万円(2年間で付く支払利息)

100万円のお金を2年間預けてもらって、そのお金で他の人に2年間融資すれば約15万円儲けられるという凄い話です。
マイカーローンから学資ローン、フリーローン、カードローン、住宅ローン、、、、etcたくさんの人がローンは利用しますからね。

「そら銀行って儲かるよなー」って銀行にいた時常々思ってました。

まあそれでも銀行同士では客の取り合いで苦労してるみたいなんだけどね。。。(笑)