どーも、元銀行員のおしのです。(現在ファイナンシャルプランナー兼住宅ローンアドバイザーとして独立中)
よく皆さんからある質問の一つ、それはズバリ

マイホームはどのタイミングで購入するのが良いか

という質問です。

やっぱり人生の中で、色んなイベントがありますが、その中でも「マイホーム購入」というのは一大イベントですからね。皆さんよく悩んで相談に来られます。
今回はそういった、皆さんが良く悩まれる「マイホーム購入のタイミング」について話していきます。
では、早速いきましょう。

マイホームはみんな何歳で買うの?

まずはマイホームの購入者の年齢はいったい何歳が多いのか、ということについてまず見ていきましょう。

データを見るに、やっぱり30~40代のマイホーム購入者が多いです。
結婚後に経済力がある程度ついてきて、貯金も溜まってきたと考えたり、子供が大きくなってきたり、という時期に重なるのがこの年齢層に多いですからね。
確かに銀行員時代から今現在でも、相談に来られる人のお客さんは30~40代が一番多いですね。

ファイナンシャルプランナーが考えるマイホームを購入するタイミング

年齢に限らずオススメするマイホーム購入のタイミングは、

結婚して賃貸に住んでおり、将来的にはマイホームを購入したいと考えている時
または
結婚する予定はないが、将来的にはマイホームを購入したいと考えている時

これが年齢に限らずベストなタイミングだと思ってます。

正直早ければ早いに越したことは無いです。

なぜかというと、

①無駄な家賃を払う期間が少なくなる
②住宅ローン控除が将来的には受けられなくなる可能性がある
③病気になったら団信に加入できなくなる恐れがある
④消費税増税とオリンピックを控えている
⑤日銀のインフレ策が行われている

という5つの大きな理由があります。

①無駄な家賃を払う期間が少なくなる

例えば現在家賃を7万円支払っているとすれば、住宅購入後はその家賃の代わりに住宅ローンを支払っていくことになります。
払っていた家賃と同じ毎月7万円で返済していくように住宅ローンを組んだ場合、住宅ローン返済中は毎月の家賃費となるものは7万円で同じですが、住宅ローン完済後はこの毎月7万円の出費がなくなります。
反対に家賃の場合は一生払い続けなければいけません。

つまりマイホームを早い年齢で購入できればできるほど、家賃費として抑えられる費用が将来的に大きくなるメリットがあるということです。

②住宅ローン控除が将来的には受けられなくなる可能性がある

現在、住宅ローン控除という素晴らしい制度があります。
これは、住宅ローン利用者の税負担を軽くしてあげることで、住宅を購入する人を増やして景気を良くしていこうとする政府の政策です。
簡単に言うと、

住宅ローンの年末残高×1%=控除額(もらえるお金)

ということになります。
例えば、

平成29年1月に2000万円の住宅ローンを借りて、毎月返済していき、
平成29年12月末に1950万円の残高だった場合

1950万円×1%=19.5万円

この最大で19.5万円が国から支給されるということになります。
(所得税等の関係でこれより少なくなる場合があります)

以前はこんな素晴らしい制度は無かったので、前に比べると今は住宅ローン利用者には、とても頼りになる制度が整っていると思います。

この住宅ローン控除も、政府の方針によってはいつ無くなるか分からないので、この住宅ローン控除制度はできるだけ無くならないうちに早く利用したいところです。

③病気になったら団信に加入できなくなる恐れがある

皆さん、住宅ローンを組む時は基本的に、団体信用生命保険(通称:団信)に加入します。
ご存知の方が多いかもしれませんが団信というのは、住宅ローンを組んだ人が万が一死亡したり、高度障害を負ったりした場合、その時点で残っている残高は保険会社が一括返済してくれるという保険になっています。
この保険料は銀行が負担してくれるので、お客さんは基本的に住宅ローンを組む時に無料で加入することができます。

ただし、団信は保険なので、加入するには審査があります。
病気等があったりすれば、審査が通らないことももちろんあります。
団信に加入できなければ、基本的には住宅ローンは組めません。

ただし団信に加入しなくても住宅ローンを組めるプランもあったりするんですが、団信が無ければ、万が一の時に残された家族は、何千万というローンを引き継ぐことになり、大きな負担がかかってしまいます。
団信に加入できていれば、ローンは全く残らない状態で、家という資産だけを家族に残してあげることができます。

今は健康であっても病気というのは、いつ起こるか分かりません。
1年後や2年後、3年後に絶対元気だという保証はありません。もしかしたら、高血圧症や糖尿病、腎不全などの疾病にかかっている可能性も十分にあり得ます。
病気になってから、団信の審査が通らないことを悔やんでも遅いです。

人間は年を取るにつれて、病気にかかるリスクは増えていくので、そういった意味で、住宅の購入はできるなら早い決断が望ましいです。

④消費税増税とオリンピックを控えている

まず2019年10月から消費税が10%に増税されます。
住宅購入にかかる消費税にももちろん適用されます。

仮に3000万円の家を購入する場合

消費税8%→240万円

消費税10%→300万円

その差は60万円にもなります。
消費税増税が近づくと駆け込みで住宅購入する人が間違いなく増えるでしょう。
需要と供給の関係を考えていただくと、需要(買いたいと思う人)が増えれば、その分住宅購入費を業者は多少なりとも上げてくることも考えられます。(多少価格を上げても駆け込み需要で家やマンションが売れると考えるから)
なのでできるだけ皆が動き始めるギリギリよりも、少し余裕を持った時期に行動をしたいところになります。

また、2020年には東京オリンピックを控えており、オリンピックによる経済効果は32兆円にまでのぼると言われています。
不動産業界ももちろんその影響は大きく、インフラや交通網のさらなる発達も期待され、そういった影響を受けて今後の土地の価格上昇も十分考えられます。

⑤日銀のインフレ策が行われている

現在日銀はインフレ2%を達成しようと、色々な施策をやっています。
話題になったマイナス金利などの金融緩和もその一つです。

インフレというのは物価の上昇のことで、インフレ2%の達成というのは、物価を2%上昇させるという意味です。
今はデフレの時代です。(物価が低い時代です。)景気を良くするためにはデフレを脱却しなければいけません。
企業がモノやサービスを低価格で売れば売るほど、企業の利益は下がり、日本全体としての景気も下がります。

こういった背景があり、デフレを脱却して景気を良くするために、日銀はインフレ2%策を次々と行っています。
インフレ2%が無事達成されると、当然住宅費についても2%上昇します。

今まで3000万円で買えてた家がインフレ2%達成すると、

3000万円×102%=3060万円

となります。3000万円で購入できた家は、インフレ2%達成後には3060万円でしか買えなくなるということです。
インフレにより長期的に見れば日本の景気にとってプラスになるのは期待できますが、短期的に見れば個人にとってはマイナスですよね。

どんどんインフレ策を日銀は出してくるでしょうし、早いうちに行動しておきたいところです。

住宅ローンで借りることができる限度額の目安

住宅ローンで借りることのできる限度額の目安は

年収×7倍

になります。これはあくまで私が働いていた銀行の基準ではありますが、一般的にどこの銀行も年収の7倍くらいが目安となっているところが多いと感じます。
年収自体は300万円以上あれば住宅ローンの申し込みが可能です。
下にイメージしやすいように表を書いておきますね。

もし奥さんが正社員として働いている場合は、奥さんを連帯債務者とすることで、

(夫の年収+妻の年収)×7

が借入できる金額になります。
(稀ではありますが、奥さんが申込人で、夫が連帯債務者になるケースももちろんあります。)

例えば、
申込人である夫の年収が400万円
連帯債務者になる妻の年収が300万円
の場合

(400万円+300万円)×7=4900万円

となり、4900万円まで住宅ローンを借りることができるようになります。

ちなみに連帯債務者というのは、住宅ローンの借入(債務)に対して、申込人と同等の返済義務を負ってくれる人のことです。
毎月の返済は申込人が返済していきます。
連帯債務者は、万が一申込人が返済できなくなった場合に初めて住宅ローンの返済をしていくことになります。

連帯債務者というと、良くないイメージを抱く人もいますが、それは友人や知人などの借り入れの連帯債務者になるのが良くない(逃げられる可能性がある)だけで、夫の住宅ローンの連帯債務者に妻がなることはよくあることです。

連帯債務者になると、夫と同じ債務者(お金の返済義務を持っている人)としての立場になるので、土地と建物について半分の所有権を持つことができます。
無いに越したことはもちろんなんですが、離婚が増えてきている現代では、土地と建物の所有権を持つことはある意味で、そういったときに自分の資産の確保にもつながるといった考え方もできます。あまり考えたいものではないですが、一応参考程度に。

さいごに(おしののひとこと)

マイホーム購入というのは人生の一大イベントなので、出来るだけ慎重にと考える人が多いと思います。
ただし、先ほど述べたように、状況的には先延ばしすればするほど悪くなると考えます。
もしすでにマイホーム購入についてある程度前向きに検討しているなら、住宅購入に向けて前倒しして動いても良いと思います。
実際最近はそういったことを考えて、住宅購入に向けて早い動きをする人が増えてきた印象もありますしね。

是非参考にしてみてください。