どーも、おしのです。
銀行でローンを担当していた時から、ファイナンシャルプランナー(兼住宅ローンアドバイザー)として活動している今日まで、たくさん質問や相談を受けてきた中で、特に多かった質問(相談)が、

「住宅ローンの審査に通るかどうか不安です。審査の基準って何ですか?」

という質問(相談)です。

やっぱり今までマイカーローンや学資ローン、フリーローンなどを借りたことがある人でも、
「住宅ローンは借りる金額も多いし、落ちたって話もよく聞くし、もし通らなかったらどうしよう」
と考える人が多いんですよね。
確かに住宅ローンは全ての個人ローンの中で一番審査が厳しいローンです。厳密に言うと審査されるポイントが多いということですね。
ただ、審査ポイントがしっかり抑えられていれば、住宅ローンもすんなり通ります。
今回は、自分が銀行で働いていた時に知った住宅ローンの審査ポイントっていうのを、余すとこなくお伝えしていきますね。
厳密に言うと審査をしているのは保証会社で、保証会社は銀行にさえこの審査基準って教えないんですけど、保証会社の人と仲良くなったんで当時こっそり教えてもらったんですよね。(笑)

審査ポイントは大きく分けて

①年収に対する借入金額の比率
②年収に対する年間返済額の比率
③過去の信用情報(延滞歴など)
④年齢(退職までどのくらいか)
⑤正社員かどうか(自営業者でも申込ok)
⑥その会社で働き始めて何年経つか(その事業を始めて何年経つか)
⑦結婚しているかどうか

になります。もちろん、会社によって審査ポイントの内容は多少変わってくると思いますが、基本的にはこれらのポイントが大切になります。
それでは各ポイントについて話していきます。

ポイント①年収に対する借入金額の比率

1つ目のポイントは年収に対する借入金額の比率になります。
これは簡単に言うと、年収の何倍までなら最大で融資できるかということです。

具体的には、年収の7倍までが一般的に最大で借り入れることの出来る審査基準の金額になります。(審査会社によって多少差があります。)
年収というのは手取りベースではなく、源泉徴収票や所得証明書に記載される税引き前の一番大きな数字になります。

例えば年収500万円の人なら

500万円×7=3500万円となり、3500万円が借り入れることのできる最大の金額の目安となります。

ポイント②年収に対する年間返済額の比率

2つ目のポイントは年収に対する年間返済額の比率です。
これは、年収に対して年間のローン返済額が最大でどれくらいまでなら大丈夫か、ということです。

具体的には、ローン年間返済額が年収の30%以内になるなら間違いなく大丈夫です。(審査会社によっては40%以内でも認めているところはあります。)
例えば先ほどと同じ年収500万円の人なら

500万円×30%=150万円となり、先ほどのポイント①の基準を満たしていてかつ、ローンの年間返済額が150万円以内であれば借り入れることが出来ます。

ただし一つ注意点があって、新しく借りる予定の住宅ローンの年間返済額に加えて、今現在借りているマイカーローンや学資ローン、フリーローンなど他のローンの年間返済額も対象になります。
例を用いて話しますと、
住宅ローンを検討しているAさんが

(ア)新しく借りる予定の住宅ローンの毎月返済額が7万円
(イ)今借りているマイカーローンの毎月返済額が3万円

だとしたら

(ア)7万円×12=84万円(住宅ローンの年間返済額)
(イ)3万円×12=36万円(マイカーローンの年間返済額)

84万円+36万円=120万円(合計のローン年間返済額)

Aさんの年間ローン返済額は120万円となります。

さきほど話した通り年間返済額の絶対合格審査基準は、年収の30%以内です。
Aさんの年収が500万円の場合は

500万円×30%=150万円(ローン年間返済額審査基準)

これより、150万円(審査基準)>120万円(Aさんの年間予定ローン返済額)となるので、Aさんは年収に対する年間返済比率の審査基準を満たす、ということになります。


もしAさんの年収が300万円の場合は

300万円×30%=90万円(ローン年間返済額審査基準)となり、

90万円(審査基準)<120万円(Aさんの年間予定ローン返済額)となるので、Aさんは年収に対する年間返済比率の審査基準を満たさない、ということになります。

ちょっと難しいですかね。なんとなくでもイメージ出来たら大丈夫です。
30%を満たせば間違いなく返済比率としては大丈夫ですが、審査会社によっては35%だったり40%だったりと、返済比率の審査基準が違うのであくまで目安になります。

ポイント③過去の信用情報(延滞歴など)

3つ目のポイントは、過去の信用情報です。
これは、借りているローンでお金を入金し忘れていて延滞になっただとか、クレジットカードが返済日に引き落とせずに延滞になったとか、そういう信用情報ですね。
携帯電話の引き落としも信用情報に関わってくるので注意が必要です。
信用情報では主に次の二つが見られます。

①過去の延滞歴
②過去の事故歴

①過去の延滞歴は、先ほど話したように借りているローンや、クレジットカード、携帯電話の返済に延滞が無いかというのがポイントになります。
ここには毎月の公共料金(電気代や水道料金)、税金などの引き落としの延滞は入りません。
大体見られるのは目安として過去3年以内です。

延滞をしないに越したことは無いですが、1回でもしてしまったらダメという訳でもないです。
ダメなのは延滞状況を放置したり、延滞を連続でしてしまったり、何度も延滞をしてしまったりすることが厳しく見られます。
もし万が一延滞のせいで住宅ローンの審査が通らなかったことが考えられる場合は、3年位期間を置けば延滞歴は解消されます。

②過去の事故歴は、延滞を放置してクレジットカードの停止処分を受けたり、過去にローンの返済が出来ず債務整理や自己破産をしてしまったりした場合は事故とみなされます。
事故歴の解消には大体5年ほどかかります。

ポイント④年齢(退職までどのくらいか)

年齢は退職が近ければ近いほど不利になります。
審査する側としては退職後に、安定した収入が期待できないと貸し倒れるリスクがあるので、退職が近ければ近いほど審査では厳しく見られます。
あくまで目安ですが、50歳を境に審査基準が少し重くなり、55歳を超えるとさらに審査基準が厳しくなります。(厳しくなるといっても、普通に通ることも多いのでとりあえず審査に出すことは大切です。)
借換を検討している方は、先延ばしすればするほど、審査は厳しくなってくるので、借換を思い立ったらすぐに行動に移すようにしましょう。

ポイント⑤正社員かどうか(自営業者でも申込ok)

基本的には正社員でなければ住宅ローンは組めません。ただ例外があって銀行によっては、正社員でない方でも組める専用の住宅ローンを用意していたりもします。(ただ金利がめちゃくちゃ高いです。)
また自営業者でも住宅ローンは申し込むことはもちろん大丈夫です。
しかし1点自営業者の方でたまに、経費を計上しすぎていて年収が極端に低い人は住宅ローンを組めないこともあります。

ポイント⑥その会社で働き始めて何年経つか(その事業を始めて何年経つか)

これは最低1年以上現在の会社で働いていないと、申込自体が出来ないところが多いです。また、自営業の方の場合は最低2年はその事業を始めてから経過していないと審査としては厳しく見られる印象ですね。
期間としては、長ければ長いに越したことは無いですね。

ポイント⑦結婚しているかどうか

意外かもしれないですが、独身の方が申し込みを行う時、審査が少し厳しく見られます。
と言っても明確な理由があって住宅を購入する意思があればまあ普通に通りますけど。(笑)
独身の方でもマンション暮らし続けるよりも、住宅購入した方が資産形成にもなるしメリットがあると思って検討する方多いですもんね。
一応理由などは聞かれますが、まあ上記のような明確な理由があれば普通に通りますので、そこまで気にする必要は正直ないです。(笑)

さいごに(おしののひとこと)

以上、元銀行員だった時の知識を有効活用させてもらって、住宅ローンの審査基準について話してきました。
ポイント①~⑦の中で特に大切なのは①~③の部分ですね。
正直ここがクリアできればかなり審査する側としては通しやすいです。

住宅ローンを審査する前に、「住宅ローンの審査が通るかどうか不安で・・・」という方が結構いるんですが、住宅ローンはとりあえず申し込んでみないと始まらないです。
延滞があっても、連続した延滞や延滞放置ほどタチが悪くなければ普通に通りますし、迷ってもとりあえず審査をしてもらうことが大切です。