どーも、元銀行員のおしのと申します。

今、住宅ローンを組んでいる人で、あと何年かで退職を控えているという人もいると思います。
今回は、そういった現在住宅ローンを借りている方で、あまり借入中の住宅ローンについて見直しをしていないという方向けに記事を書きたいと思います。

住宅ローンの見直し(借換検討)を考えている方も、これまで考えていなかった方も、参考になる内容にしてます。

こういう人は絶対借換した方がいい

現在住宅ローンを1%以上で組んでいる人でかつ1000万円以上残高が残っている人

次の2つのパターンに分けます。

(1)変動金利で金利1%以上の人
(2)2013年以前にローンを組んでいる人で、固定金利1%以上の人

(1)変動金利で金利1%以上の人

今すぐ借換することをオススメします。変動金利で1%以上は今の低金利時代では間違いなく高いです。
借換をする場合は、ネット銀行での借換を強くオススメします。
私は最近まで銀行で住宅ローンを担当していたんですが(現在は独立)、正直一般的な銀行ではネット銀行の金利の低さ、保証の厚さには全然かないません。

一般的な銀行に比べてネット銀行は人件費等がかかっていないので、その分金利や団信の保証が手厚くできるというカラクリがあります。
銀行で住宅ローンを担当していると、「よその銀行に借換をしたい」という相談が毎日のように来るんですが、ネット銀行を持ってこられるともう太刀打ちできません。
正直一般的な銀行で働いていると、ネット銀行の金利や団信保障等の手厚さがありえないレベルです。

実際上司がこそっとネット銀行で借換してたぐらいなので。笑

<借換シミュレーション>

【Aさんの現在の住宅ローン状況】
・住宅ローン残高1000万円
・変動金利1.5%
・残りの返済期間10年
・団信(死亡・高度障害時のみ適用)

【新しく借換する住宅ローン内容】
・住宅ローン申込額1,040万円(抵当権抹消設定費用などで残高が40万円程度増えます)
・変動金利0.6%
・返済期間10年
・団信(七大疾病保証付き団信





※七大疾病保証付き団信とは
通常の団信のように死亡・高度障害時の保証はもちろん、がん、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変になった時まで保証の対象となり、通常の団信に比べてヒジョーーーに手厚い保証内容の団信だということです。ちなみに病院に入院している全患者の3分の1は、七大疾病が原因で入院しているという実態。

(2)2013年以前に組んでいる、固定金利で金利1%以上の人

固定金利で1%以上の金利で組んでいる人も、借換をした方が良いと思っています。
理由は以下の3つになります。

理由①:全期間固定金利(35年固定金利など)の場合は金利が高すぎる
理由②:短期間固定金利(10年固定など)の場合は、固定金利終了後に金利が大きく上がる
理由③:団信がグレードアップする

【理由①:全期間固定金利(35年固定金利など)の場合は金利が高すぎる】

今、30年固定金利や35年固定金利のように、最終返済日まで一切金利変動の影響を受けない全期間固定金利を選択している人は、間違いなく見直しした方がいいです。
理由は単純で、金利が高すぎるというのが理由です。

全期間固定金利というのは、残りの返済期間が少なくなればなるほど、旨みが減ります。
例えば新しく住宅ローンを組む人が、これから35年間金利変動の影響を受けたくないと、高い金利利息を払っても、全期間固定金利を選択するのは分かります。
ただ、残りの返済期間が15年とか10年とか、少なくなってきた場合、向こう35年間のうちに金利が大きく変動する可能性くらべて、向こう15年とか10年とかの期間で金利が大きく変動する可能性は低いです。

これまで過去20年くらいの住宅ローンの変動金利は、下がることがあっても、ほとんど上がっていないですし、全体の半数近くは変動金利を選択しているので、そんなにガンガン金利が上がってしまうと、家系的に圧迫される家庭も増えるので、金利がドンドン上がるというのは現実的に見て考えにくいです。

そうするとたった10年~15年そこらの期間を、わざわざ金利の高い全期間固定金利で組んでおく必要はなく、期間が短い分、一番金利の低い変動金利で借換をするのが旨みが大きいということです。

【理由②:短期間固定金利(10年固定など)の場合は、固定金利終了後に金利が大きく上がる】

これ別記事でもっと詳しく書いているんですけど、短期間固定金利(10年固定など)では大きな落とし穴に引っかかってしまう人がかなり多いです。
それは、固定期間終了後(金利再選択時)に金利が大きく上がるということを知らずに、金利の再選択時に金利が上がることに驚く人が多いということです。

「えっどういうこと?」と思う人がいると思うんですが、10年固定金利のような短期間固定金利って、固定期間(10年間)はある程度低い金利で利用できるんですけど、固定期間が終了するときって、再度、固定金利や変動金利を選択したとしても、それまで組んでいたような低い金利で組み直すことは出来ず、高い金利で組み直さなければいけない、という仕組みがあります。
もちろん短期間固定金利はこれに加えて、もし固定期間終了時に住宅ローンの全体の金利も上がっていた場合は、さらに高い金利で組み直さなければいけないリスクもあります。
なので、正直、短期間固定金利自体が中途半端な仕組みで、これを選択することの大きなメリットはあまりないです。

現在、短期間固定金利で組んでいる人は、これを機に必ず見直しておいた方がいいです。

【理由③:団信がグレードアップする】

これはさきほど変動金利の時に話したのと同じように、ネット銀行の場合は、金利が下がることに加えて、団信がグレードアップします。
一般的な銀行で住宅ローンを組んでいる場合は、借入者が死亡もしくは高度障害を負った時にのみ、団信保障が適用されます。
これに対してネット銀行の場合は、一般的な銀行の団信保障に加えて、三大疾病や七大疾病になった時の保障までしてくれるという、かなり手厚い内容になります。

ネット銀行は通常の銀行に比べて、人件費がかかっていない分、こういった金利や保障内容で顧客満足度の高いサービスが提供できるようになってます。
もと一般的な銀行に勤めていた銀行員が言うのもなんですが、正直今の住宅ローンはネット銀行一強の時代と言っていいです。それくらいネット銀行の住宅ローンは強すぎます。

現在住宅ローンを2%以上で組んでいる人かつ700万円以上残高が残っている人

今すぐ借換をすることをオススメします。700万円以上ローン残高があれば、2%以上の住宅ローン金利で組んでいる人は大体の場合、メリットがでます。
これも先ほどと同じように借換をする場合は、より金利が安く、保障内容が手厚いネット銀行での借換を推奨します。

参考に借換シミュレーションを下に記載しておきます。

<借換シミュレーション>

【Aさんの現在の住宅ローン状況】
・住宅ローン残高700万円
・変動金利2.0%
・残りの返済期間10年
・団信(死亡・高度障害時のみ適用)

【新しく借換する住宅ローン内容】
・住宅ローン申込額735万円(抵当権抹消設定費用などで残高が35万円程度増えます)
・変動金利0.6%
・返済期間10年
・団信(七大疾病保証付き団信

借換は絶対退職前にしなければいけない理由

借換は絶対退職前にしなければいけない理由は次の2点です。

①基本的に退職後は借換が出来なくなる
②団信の適用が受けられなくなる可能性が大きくなる

①基本的に退職後は借換が出来なくなる

まず一つ目の理由はこれです。
住宅ローンは、就職しているうちでないと基本的に審査に通らないです。
加えて、もし借換を検討する場合は、出来るだけ早く動くに越したことは無いです。基本的にローンは45歳を超えた後は時間が過ぎれば過ぎるほど、住宅ローンが審査に通りにくくなっていきます。
うちの銀行では、50歳を超えてからは住宅ローンの審査がグッと厳しくなりました。
お金を貸す側としては、貸し倒れのリスクを避けるために、できるだけ退職間近の人にはお金を貸したくないという目で審査をします。
ただ必ず通らないわけではなく、通りにくくなっていくということです。

もし、50歳を超えて借換を検討している場合は、絶対先延ばしにしないほうがいいです。本当に早いに越したことは無いです。
もうちょっと落ち着いてから、相談しに行こうと考えていたら1か月2か月3か月・・・と過ぎていき、その分審査はどんどん通りにくくなっていきます。
そしていざ借換をしたいと思ったときには、もう審査には通らず、仕方なく高い金利で我慢しなければいけなくなるなどザラにあります。

②団信の適用が受けられなくなる可能性が大きくなる

二つ目の理由はこれです。
住宅ローンを組む上で、原則として団信(団体信用生命保険)の加入は必須です。
病気などの理由により、団信に加入できない場合は、住宅ローンが組めないということになります。

よく生命保険の申込なんかでも、生命保険に入ろうと考えていた時に病気になってしまって、生命保険に入りたくても入れなくなったということがあります。

団信はこれと一緒です。3か月とか半年とか1年とか先延ばしすることにより、その間に何かの病気になったり、健康診断で高血圧などの異常が見つかったりした時は、団信に加入できなくなる可能性が高くなります。
こうなってくると、住宅ローンを借換したくても、借換できないという状況になってしまいます。
特に50歳を超えてくると、何かしら身体に異常が出るリスクも上がってくるので、こういった団信の面を考慮しても、本当に出来るだけ早く動くことを強く推奨します。

さいごに(おしののひとこと)

以上、退職前の借換でいかに早く動くことが大事かについて話してきました。
銀行で働いていた時、退職ぎりぎりになってからや、退職後に借換の相談に来る人がかなりいました。
その度に審査しても否決で下りてきて、もうどうしようもないという状況になる人がたくさんいました。
こういった方たちは、もっと早く動いてさえいれば審査が通った可能性が高いのに、借換を後回しにしすぎたためにこういった結果になってしまっています。

皆さん口をそろえて「もっと早く動いていればなあ」と言われていました。
この記事を読んでいただいた方々には、そのように大きく損してしまわないように、1カ月でも1日でも早く行動してくださいね。ほんと後悔することになりますので。