どーも、元銀行員のおしのです。
今回は「基準金利と適用金利の違い」について話していきたいと思います。
住宅ローンをこれから組む予定の方、もしくは住宅ローンの借換を検討中の方、はたまた一定期間固定金利(10年固定金利など)が終了する予定の方には是非知っていおいてほしい内容になっています。
というのも皆さんがよく耳にする変動金利や固定金利は、この金利を元に設定されているからです。
銀行員だった頃、この仕組みを知らないが為に何十万、何百万円と損していたお客さんを結構見ました。
それでは住宅ローンの金利を知る上で大切な基準金利と適用金利について、できるだけ分かりやすいように説明していきます。
基準金利(店頭表示金利)とは
あまり聞き慣れないかもしれませんが、変動金利にしろ固定金利にしろ必ず基準金利というものがあります。別名、店頭表示金利ということもあります。
ニュースや雑誌などで住宅ローンの金利が上がっただとか下がっただと言っているのは、具体的に言うとこの基準金利が上がったり下がったりしていることを意味しています。
基準金利は簡単に言うと各銀行で自由に決めることのできる住宅ローンの金利です。
「今は景気がいいから金利を上げちゃえ」と銀行のエラい人たちが決めればその銀行の住宅ローンの基準金利は上がりますし、「景気悪くなってきたから下げよう」と判断されればその銀行の基準金利は下がるということです。
基準金利は、変動金利や2年固定金利、3年固定金利、5年、10年、20年…とそれぞれの金利の種類ごとに決められています。
なので先ほどの例に付け加えると、「今回は10年固定の金利だけ上げちゃえ!ただしその他の種類の金利はそのままの金利にしておこう!」といった話し合いが、金利の決定をする時になされています。
適用金利とは
適用金利とは「ある条件を満たした人(もしくはある条件の下)であれば、基準金利から金利を優遇して適用してあげる」という特別な優遇金利のことです。
その条件は銀行によって異なりますが、例えば「給与振込口座をうちの銀行に移してもらえれば」だとか「変動金利を選択している間であれば」などです。
逆に言うと銀行が定める条件の下から外れてしまうと、何も優遇が受けれず基準金利がそのまま適用されてしまうということです。※基準金利は大体どこの銀行も3%超えます。
固定期間が終了する時に金利再選択手続きを放置したり、途中で給与振込口座を変更したりなど、各銀行の定める優遇金利適用の条件の範囲外に知らずのうちに出てしまっていて、基準金利がそのまま適用されているというエゲつない状態になっていることがあります。なので適用金利のチェックは都度大切です。かなり損することになります。
皆さんがチラシや広告等で見るでかでかと載っている金利はこの適用金利です。一般的に皆さんが住宅ローンの金利を調べるときはこの金利を見ているはずです。
さきほど注意点を書きましたが、実際新しく住宅ローンを組む方も、現在皆さんがお持ちの住宅ローンもこの優遇された適用金利が適用されていることがほとんどです。
図①
図②
図①のように基本的には皆さん高い基準金利から優遇された適用金利が適用されるということです。ただし何度も言いますが、優遇された適用金利が適用されるのは、各銀行の提示している条件を満たしている人(条件の範囲内)ということになるので都度チェックしておくことが大切です。
色々書きましたが皆さんは基準金利と適用金利について
「それぞれの銀行で基準金利というのがあって、実際自分が住宅ローンを組む時はその基準金利だと金利が高すぎるから、ある条件を満たして金利の優遇を受けているんだなあ。ただし優遇された金利がきちんと適用されるようチェックも大切なんだなあ」
となんとなくでも分かってもらえれば十分です。
この基準金利と適用金利についてきちんと説明する銀行員は少ないので、損しないためにも何となくでも是非知っていおいてほしい内容です。