どーも、管理人のおしのです。

今回はいつも話している住宅ローンの話題とは別に、投資信託の話をしようと思います。

銀行と言えば花形は「融資」って感じですよね。
「人にお金を貸して利息で儲ける」、これが銀行の最も大きい収入源です。

しかし、最近ではこのような「融資業務」に加えて、「投資信託」がかなり銀行では重要な立ち位置になってきました。
正直、投資信託を売りまくった人が今の銀行ではヒーロー扱いされます。これ、マジです。
反対に、投資信託のノルマを達成できないことが一番怒られます。基本的にこのスタンスはどこの銀行でも現在は同じはずです。

なぜこのような状況に銀行がなっているかというと、

今までのように融資だけでは銀行が稼げなくなってきたからです。

昔に比べて融資の金利はかなり低いです。法人融資にしても住宅ローン融資にしてもかなり金利が低いですからね。
だからといって、銀行も手当たり次第にバンバンお金を企業などに貸すことはできません。貸し倒れ(取りっぱぐれ)のリスクがありますからね。

今は金利の低いネット銀行もたくさん増えましたし、住宅ローンに至っては、高い人件費払って住宅ローン融資してきたのにあっさりとネット銀行に借換されます。
このような状況なので、今までのように融資だけで利益を上げ続けるのは難しいです。

ちなみに金融庁が昨年に出した試算では、10年後に赤字になる銀行は全体の6割になるようです。

銀行のお偉いさんたちも最近になり、これまでのようにやってはダメだと気付き、その新たな収益源として目を付けたのが「生命保険」「投資信託」というわけです。(今回は「生命保険」の話は省略しますが。)

銀行員は当然、お客さんの口座にお金がどれだけ入っているか全て見ることができます。
なのでたくさんお金を持っているお客さんが分かりますし、そういったお客さんに電話をかけてピンポイントでセールスをかけていくことができます。
これは証券会社などにない銀行の強みです。

こういったセールスに加えて、定期預金を預けに来たお客さんにセールス、住宅ローンの相談に来たお客さんにセールス、いろんな角度からとにかく投資信託をお客さんに売ろうとします。
銀行員はとにかく投資信託もしくは保険を勧めてきますが、これはノルマにそれだけ追われているということです。

ただ元銀行員として忠告しておきますが、銀行で投資信託を始めるメリットはほとんどありません。(自分も仕事なので売ってはいましたが。)

銀行で投資信託をやってはいけない理由

①銀行で扱っている投資信託の商品は少ない

まず一つ目の理由として、銀行で扱っている投資信託の商品は少ないです。
銀行はどこでもせいぜい多くて200~300種類くらいしか扱っていません。
これに対して証券会社であれば、多くて2000種類ほどの商品を扱っています。

銀行で扱っていて証券会社で扱っていない投資信託の商品は基本的にないと思ってもらっていいです。
扱っている商品が多ければ多いほど選択肢は増え、反対に少なければ少ないほど限られた選択肢の中から選ばなければいけなくなるので、扱っている商品は多いに越したことはありません。

②投資信託にかかる手数料が高い

証券会社(特にネット証券)と比較すると、銀行の投資信託にかかる手数料はかなり高いです。
例えばカンブリア宮殿で放送されて一躍注目を浴びた「ひふみプラス」という人気商品があるんですが、SBI証券など大手のネット証券で購入すれば、買い付け手数料は無料なのに対して、銀行では大体2%程度の買い付け手数料が取られます。

仮に100万円分買うとしたら、一般的な銀行の場合、購入金額の2%分(約2万円)が手数料として引かれるので、98万円からのスタートになってしまいます。
SBI証券などのネット証券に比べて単純に2万円損することになります。
もちろん購入金額が大きくなるほど、手数料として引かれる金額は大きくなっていくので、200万円分購入する人なら4万円、300万円分購入する人なら6万円もの手数料が最初に銀行に持っていかれることになります。

ハッキリ言ってもったいなさすぎます。
ただでさえ証券に比べて扱っている商品の種類が少ないのに、いっちょ前に手数料は証券会社より高いとか、正直言ってお客さんをなめてるとしか思えませんよね。ほんとに。
もちろん銀行員としても、ネット証券等で投資信託をした方が間違いなく良いということは分かっています。ただ、お客さんにそのことは絶対言わないんですけどね。仕事なので。

なのでキツイ言い方をしますが、基本的に銀行で投資信託をやっている人は、みんな何も考えていない人たちばかりです。
もちろん銀行員との付き合いでやってあげるような優しい人もいるんですが、こういう情報をしっかり持っている人たちは銀行なんかで投資信託をやったりはしないです。

③ノルマのために動く銀行員が多い

投資信託って商品によって銀行がもらえる手数料って違うんですよね。
なので仮に100万円分の投資信託を販売するにあたり、簡単に言えば手数料が高いのを勧めたりすることが多いです。

例えば販売手数料が2%のものよりも3%のものを勧めたりするということです。
基本的にノーロードと言われる商品は銀行員はあまり勧めてきません。ノーロードというのは購入手数料が無料の投資信託商品のことです。

もちろん銀行によっては手数料は関係なく、売り上げた金額で評価される銀行もあるとは思いますが、おそらく販売手数料をまったく気にしないという銀行は少数でしょう。

なので、本当にそのタイミングで良い商品を提案するというよりも、ノルマを稼ぐためにどれを売るのが効率良いかで考える銀行員は多いです。

また、むやみに損切りや利益確定を勧めてくるような銀行員も結構います。(これは証券マンも一緒ですかね)
例えば100万円分、お客さんに投資信託を売ったとします。
1年後、損してようが利益が出てようが、それを売却して他の投資信託商品に乗り換えを提案してきたりします。

このように乗り換えをさせることで、同じお客さんから何度でも販売手数料をもらうことができます。
日経225インデックス投資のような商品なら確かに乗り換えさせるのは分かる。波があるので高くなっている時に売るのは理にかなっていますからね。

ただ、将来性を見込んだ投資信託商品を早々に乗り換えさせるのは、マジで意味が分からないです。
分かりやすいように言えば、なんで5年後10年後の成長を見越して買わせたのに、1年で乗り換えさせるの?って話です。
商品によっては(公共債が絡んだ投信商品など)、たった1年程度じゃ購入手数料分のマイナスを取り戻すので精一杯のモノもたくさんありますからね。

基本的に銀行員にしろ証券マンにしろ、商品を販売した後は、「運よくお客さんの資産が上がれば嬉しいな」程度にしか思っていない人は多いです。
トップセールスマンでお客さんに何千万と売りまくっている人たちでも裏では、「投信なんてやるもんじゃない」なんてよく言ってますからね。
銀行員のこういうところが僕は大っ嫌いでしたが。

④知識のない銀行員が多い

実際に銀行で働いていたので分かるんですが、悲しいことに投資信託を販売するうえで、経済のことを分かっていない銀行員ってメチャクチャ多いです。

銀行で投信を扱い始めたのはつい最近の話なんで、銀行員の中でほんとにちゃんと知識がある人って少ないんです。
今の30後半以上の銀行員たちなんて、投信の知識ない人たちばっかで本当にあきれますからね。(笑)
「これがいいらしいよ」と聞いて、それをそのまま鵜呑みにしてお客さんに紹介したりすることなんてザラにあります。

トップセールスマンと言われる銀行員たちもしかりです。
一見もっとものようなことを言っていますが、簡単に言えば口が達者で、お客さんをその気にさせるのが上手いだけです。
知識がある人は銀行で投信なんてやらないんで、銀行員って大した知識持ってなくてもやっていけるんですよね。

もし知識のある人が銀行員の話に突っ込んでいけば、銀行員の困った顔を見ることができます。
しっかり勉強している銀行員もいますが、悲しいことに知識がある銀行員とトップセールスマンは必ずしもイコールしないんですよね。

今、投資信託を販売するうえでセールスマンが決まって言うセールス文句

日銀がインフレ2%を目標にしているという話

銀行員にしても証券マンにしても、今まで投資をやったことのないような人に投資を煽る鉄板のセールストークがあります。
それは、

「日銀がインフレ2%を目標に金融政策を行っているから、投資した方がいい」

という話です。
今の日本はデフレの時代ですから、日銀は現在デフレを脱却して景気を良くしようと考えているんですよね。
簡単に言えば「デフレ」というのは物価が低いという意味で、「インフレ」というのは物価が高いという意味でとらえてもらっていいです。

デフレ、すなわち物価が低いと消費者は喜ぶけど、それを売っている企業は儲けが減るから業績が伸びないです。
企業が発展しなければ総じて経済は発展せず、景気は良くなりません。

そのためにインフレ2%を目標(物価を2%上げよう)に、色々と金融緩和だったり行っています。マイナス金利もそのための一つです。

ここで大事なのは、

物価が2%上がると、100万円の物だったものが102万円でないと買えなくなりますよね。
つまり、インフレ2%(物価2%上昇)が達成されると、実質的に持っているお金が2%ほど減るという話になるんです。

この話をすることでお客さんの心を掴み、「銀行の金利が0.2%程度なので、銀行に預けているだけでは損します。もっと利回りの期待できる投資信託を一部組み合わせることで資産を守りましょう。」とたたみかける感じです。

これは今、鉄板のセールストークなのでかなりの人が使っている話だと思います。
もちろんこの話が言っていること自体はまともな内容なんですが、こういった話をされたからって、
「この銀行員が言うことはとっても納得できる、とっても知識があって信用できる!」となるのは早すぎるので注意してくださいね。

これから投資信託を考えている人へ

これから投資信託を始めることを考えている人は、SBI証券や楽天証券のようなネット証券で行うのがベストです。
この記事の途中でも話しましたが、銀行と比べて手数料が安く、扱っている商品数が10倍くらい違いますので、完全に銀行の上位互換と言ってもいいでしょう。

もしそれでも銀行で始めたい、知識が無いから話を聞きながら始めたいなんて人がいれば、1つの銀行だけに限らず、銀行を変えて色んな銀行員から話を聞いて参考にしたうえで始めることをオススメします。
病院で言うセカンドオピニオンみたいな話です。(複数の先生の診断を受ける的な)

長くなりましたが、ぜひ参考にしてみてください。